記紀の道は、宮崎県西都市に語り継がれる日向神話の伝承地をつなぐ、歩いて1時間の散歩道です。
記紀の道の楽しみ方をご紹介します。
映画「みちのみちのり」撮影中!
神話と伝承地
日本最古の歴史書とされる『古事記』『日本書紀』(=記紀)に記された日向神話。神代の昔、天照大神(アマテラスオオミカミ)の孫にあたる瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が、地上の中つ国を治めようと、日向国の高千穂の峰に降臨しました。ニニギノミコトは、この地に住まわれ、美しい女性コノハナサクヤヒメと出逢います――
西都には、その日向神話ゆかりの伝承地が数多く残されています。「記紀の道」は、それらの伝承地をたどるみちです。
古代から続くおおらかな里の風景が、日常と神話のふたつの世界を包み込みます。
自然といきもの
記紀の道は、小川や池に寄り添うように進みます。これらの水源は、西都原台地に由来する湧水。生まれたばかりの清流は、多くの生き物をはぐくみます。
春や秋には野花が咲き、冬には渡り鳥が羽を休めます。初夏にはホタルが舞い、秋にはカキやモチノキが実を付けます。 神話のころから変わらない、暮らしのそばにある四季の移ろい。そうした目線で古代に思いを馳せるのも楽しみ方のひとつ。
記紀の道は身近な自然の宝庫です。
土地とくらし
古代から、人は土地に住み、自然のめぐみに感謝をしながら生きてきました。農耕が定着すると、土地とのかかわりは一層強くなります。水を引き、種をまき、時に困難に見舞われながらも、知恵を伝え、たくましく生きてきました。
今の記紀の道の風景は、古代から続くそうしたくらしの営みの、一つひとつの積み重ねでできています。明治の近代化以降、くらしは大きく様変わりしましたが、神話のスケールからするとたった二百年ほどの話です。そして私たちの命はもっと短い八十年。古代から大切にされてきた土地やくらしに出逢うことは、自分の中にもはるか昔から受け継がれている“命のリレー”を想像することかもしれません。
みちづくり
記紀の道の整備は、ていねいに時間をかけながら、行政と地域の皆さんとが足並みをそろえて、少しずつ、つくってきました。
お散歩する園児たち、虫取り網を抱えた小学生、休日を楽しむ家族連れ、神話めぐりのハイカー、お話に夢中になるおばあさん・・・少しずつファンを増やしてきました。
いまでは、記紀の道には色んな人が関わっています。
記紀の道には、妻地域で暮らす人々の“愛“がつまっています。
アクセス
記紀の道周辺